美容師の面貸し
将来の独立開業を目指し日々働く美容師の方は非常に多いのですが、店舗を構えるとなると必要となる資金も膨大になることからすぐには開店せず、より手軽に独立できる面貸しと呼ばれるシステムを利用して個人事業主になるケースが多くあります。
この面貸しとはミラーレンタルとも呼ばれることもあるのですが、すでにある美容室の一部を借り受けて仕事を行なう形になり、美容室所属の美容師ではなく独立して働くシステムです。
こうしたシステムについては世間的にはあまり広く知られていないのですが、特に人口が多い都市部では美容師の働き方の一つとして定着しており独立している方も多くおります。
なぜこのようなシステムで働くのか、一般的に美容室に勤務した場合には店舗側でシフトが決められ店全体としてスケジュール管理が行われますので、ご自身の希望については口を挟む事ができません。
一方で独立して働く場合には店側のスケジュール管理に左右されず自由に働く事ができますので、開業に向けて稼ぎたい方であれば無駄なく働く事が可能であり、またいつ休むかについてもご自身で決める事ができるのです。
一方で店舗側の視点で見た時にもメリットがあり、昨今では美容業界を目指す方が非常に多い中で美容室が多く開業しています。
そうした中では稼働率が落ちて店舗スペースに空きができたり、また地域によってはスタッフが不足している場合もあります。
こうした店舗で面貸しをした場合には設備を無駄なく活用できて不足している人員も補う事が可能になりますので、双方にとって大きなメリットがあるのです。
ただ、こうした便利な働き方も一つ注意が必要になる点があり、面貸しの場合は独立していますので個人事業主に該当するため、ご自身で確定申告を行い納税しなければなりません。
従業員として働く場合は源泉徴収によりあらかじめ所得税が天引きされていますので、ご自身で確定申告を行う必要は無いのですが、個人事業主の場合は天引きがありませんのでご自身で申告を行う必要があるのです。
このあたりについては税理士に任せる事で専門的な知識が必要になる訳ではないのです。
そして、もう一つ気をつけておきたいのは過剰な節税を行った場合についてで、後に国の金融機関である日本政策金融公庫に融資を申し込む際に断わられる可能性があります。
日本政策金融公庫は税金を元に運営されている公的な機関になりますので、過剰な節税で税金を納めていなければ審査で通らない可能性もありますので注意しておきましょう。